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高森明勅
2014.5.12 06:29

「女性宮家」いつまで先送りするのか

『文藝春秋』6月号で、民主党衆議院議員の前原誠司氏が
こんな発言をしている。

これまで男系男子が継続できたのは、側室制度があったからです。
だけど、現代の天皇家では、それは求められていないでしょう。
そうなると、将来は必ず議論しなくてはいけない場面に直面すると
私も思います

悠仁さまがお生まれになったことで、
私たちは考える時間をいただいたと思っています」と。

おそらく前原氏はこの問題について、
現在の政界では平均レベル以上の知識と関心を持った政治家だろう

それでもこの有り様だ。

「将来は必ず…」とか、「考える時間をいただいた」などと、
悠長な御託を並べている。

対策の緊急性を、
悠仁親王殿下のご年齢を目安にして考えていては、
重大な過ちを犯すことになる。

そうではなくて、内親王方のご年齢にこそ、
目を向けなくてはならない。

何故なら、今の制度のまま、
内親王方がご結婚され皇籍を離脱なさってしまえば、
万事休すなのだから。

皇室と国民の区別を大切にするためには一旦、
皇籍を離れて国民の仲間入りをされてしまえば、
皇室への復帰は至難になる。

内親王方がご結婚されてから、女性宮家を設けても、全ては後の祭り。

だから憲法上、皇室典範の改正に当たるべき政府・国会関係者は、
先頃、
大学を卒業された秋篠宮家のご長女、
眞子内親王殿下のご結婚がタイムリミットだと、
事態を正しく認識しておかなくてはならない。

悠仁殿下のご誕生で「時間をいただいた」などと、
ゆめゆめ錯覚してはならない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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